探求 現代の国語/探求言語文化 付属教材・資料見本
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実社会…「実社会」単元として、実用的な文章を教材として掲載しています。新設の「本実単社元の会ね」らい単で元あるに︒ついて、ねらいと位置づけ、学習する教材の構成とその特徴を示しました。ご授業に当たっての基本方針を立てる際などにご覧ください。単元のねらい・と単の元つのなが構り成を確保しつつ︑実践的な国語の力を涵養することが︑ 「実社会」の単元をⅠ~Ⅲまで配列した本教科書だが︑「実社会Ⅰ」では︑「残す」文章としての学級日誌と︑「企てる」文章としての文化祭企画書の作成を行った︒さらに上野千鶴子の「問いの立て方とオリジナリティ」を「実社会との接点」とし︑実際的な探究活動に資するよう扱った︒本単元は︑それに続いて︑「実用的な文章」を扱う「実社会Ⅱ」である︒学習指導要領の解説は︑「実用的な文章」を「実社会において︑具体的な何かの目的やねらいを達するために書かれた文章」であるとし︑具体的には「新聞や広報誌など報道や広報の文章︑案内︑紹介︑連絡︑依頼などの文章や手紙のほか︑会議や裁判などの記録︑報告書︑説明書︑企画書︑提案書などの実務的な文章︑法令文︑キャッチフレーズ︑宣伝の文章など」としている︒そして︑さらに「インターネット上の様々な文章や電子メールの多く」を「実務的な文章の一種」として加えている︒こうして高校の国語も︑実社会の中の多様な文章を扱うことになったのだが︑本教科書では︑巻末見開き「実用文解析へのステップ」のように︑これらの文章を四つのタイプに分けた︒すなわち︑タイプA「残す」︑タイプB「定める」︑タイプC「知らせる」︑タイプD「企てる」である︒これらのうち︑本単元では︑タイプBの「定める」とタイプDの「企てる」にあたる文章を扱いながら︑グラフの読み取りも行う︒加えて︑説明的な文章として伊藤亜紗の「目の見えない人は世界をどう見ているのか」を掲載した︒これらによって︑実社会本単元では︑四つの教材を配列した︒ 「実用的な文章3」の「出国手続きを考える」では︑まず「定める」にあたる二つの文章を扱う︒その一方は法令文だが︑もう一方は︑「日本出国の手続き」を示すマニュアル的な文章である︒実社会の中では︑法令だけでなく︑各種の規約やルール︑さらにこのマニュアルのようなかたちで︑行うべきことを箇条書き的に示した文章が多いことを︑この配置は意識している︒また︑この後半では︑グラフの読み取りも行う︒ 「実用的な文章4」は「求人票を読む」である︒この「求人票」は箇条書き的な決まり事としてタイプBとしたが︑決まった書式を考えればタイプAに分類することも考えられよう︒いずれにしろ︑高校生にすれば︑いずれ目にするであろう︑実際的︑現実的な︑まさに「実用」の教材である︒ 「実用的な文章5」は︑生徒の参加企画として「全国高校生『好きな漢字』総選挙」を配した︒ここにもタイプBにあたる「実施要領」があるが︑メインはタイプD「企てる」にあたる「総選挙ポスター」であり︑これらを読んだうえで︑生徒自身も好きな漢字とその理由を︑「企てる」意識で書き︑「総選挙」に参加することを要請している︒生徒と弊社をつなぐこの企画は︑他校の生徒も参加する意味で︑広く高校生同士をつなぐものでもある︒そして︑「実社会への接点」として︑伊藤亜紗の「目の見えない人は世界をどう見ているのか」を︑単元の最後に置いた︒実践的なインタビューを通して︑目の見えない人の空間認識を説明するこの文章は︑実社会とつながる文章の意義を感じさせるとともに︑生徒たちに新しい認識をもたらすであろう︒単元のねらい単元の構成      44*現代の国語 指導資料(実社会)出国手続きを考える/求人票を読む全国高校生「好きな漢字」総選挙実社会Ⅱ

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