探求 言語文化 ダイジェスト版
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5さらず6なでふ「なにといふ」の変化したもの。見つけきこえたりしかど、(六三・3)7菜種9おのが心ならず物語と軍記かの元の国より、迎へに人々まうで来こむず。さ5らずまかりぬべければ、1思おし嘆かむが悲しきことを、この春より、思ひ嘆きはべるなり。」と言ひて、いみじく泣くを、翁お、「こは、な6でふことをのたまふぞ。竹の中より3見つけきこえたりしかど、菜7種の大きさおはせしを、我が丈た立ち並ぶまで養ひたてまつりたる我が子を、何な人びか迎へきこえむ。ま8さに許さむや。」と言ひて、「我こそ死なめ。」とて、泣きののしること、いと堪へがたげなり。 かぐや姫のいはく、「月の都の人にて父ち母はあり。片時の間あとて、かの国よりまうで来こしかども、かくこの国にはあまたの年を経ぬるになむありける。かの国の父母のこともおぼえず。ここには、かく久しく遊びきこえて、慣らひたてまつれり。い2みじからむ心地もせず。悲しくのみある。されど、 使はるる人も、年ごろ慣らひて、立ち別れなむことを、心ばへなどあてやかにうつくしかりつることを見慣らひて、恋しからむことの堪へがたく、湯水飲まれず、同じ心に嘆かしがりけり。きなひだ「思し嘆か 訳む 避」「け思らひれ嘆ずき。はべる」の主語は、それぞれ誰か。訳 何という 。3謙譲表現話し手書き手が、話題の中で、訳 (私は)見つけ申し上げたけれど。ののたと え。8「まむさやに」を許伴さっむてや反 「語まをさ表にす」は。、ここでは訳り どはなういして。許そうか、いや、許すつも「いみじからむ心地」とは、ここでは誰のどういう気持ちか。はなく。*いたし の 心たばまへふ つつむ動作を受ける人を敬う言い方。翁→かぐや姫への敬意からし菜の種。非常に小さいも ***ちはとに5*け*ぼ12 ・1 あ きてやこゆか はな 慣べりりらふ まうで来訳  自分の本心からでお9のが心ならずまかりなむとする。」と言ひて、もろともにいみじう泣く。171063 竹取物語

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